矛盾とは矛とと盾の話である。中国の商人が「この矛はどんなものでも打ち破る」「この盾は強くて破られない」と宣伝をしていた。「それではその矛で盾を突いたらどうなる」と言われたようなことに所以があるらしい。広辞苑によれば
 #[韓非子難1](楚の国に矛と盾とを売る者がいて、自分の矛はどんな盾をも破ることができ、自分の盾はどんな矛をも防ぐことができると誇っていたが、人に「お前の矛でお前の盾を突いたらどうか」といわれ、答えられなかったという故事に基づく) 事の前後のととのわないこと。つじつまの合わないこと。自家撞着じかどうちやく。「前後が―した発言」
 とある。矛盾したことはありえないことと考えられるが、実はそうでもないと私は最近思う。生きていることは必ず死ぬことを意味しているし、楽しいことは苦しいことがあってこそ存在する。
 世の中は簡単な一つの論理で動いているのではなくて、矛盾する二律背反的な状況下で成長するのではないかと思う。

[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

コメント

ともやん
ともやん
2006年5月7日8:58

 矛盾することの続き
 
 仏教の教えの中に四苦八苦の考えがある。以下も広辞苑空の引用である。

しく‐はっく【四苦八苦】
〔仏〕生・老・病・死の四苦に、愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五陰盛苦を合せたもの。人生の苦の総称。
#転じて、非常な苦しみ。また、さんざん苦労すること。「弁解に―する」

 生に対して死があるし、若いとは老えることが来ることをあらわしている。病にならない人はいないし、健康は病と裏表であろう。愛するものがいるということはその者との別れが待っている。嫌いな人ともいずれ別れもある。求めるものがあることは得ることができないからだし、名誉や権力やお金が欲しいが堕落もするだろう。およそ生きていることはたしかに矛盾することのバランスの中に存在しているのかもしれない。

 正義・不正義との単純に分けられないものであることを認識することが大切と私は思う。

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