人間というもの5−功名が辻ー

　世界の歴史の中で武力を持つ階級が政権を握るパターンは近代の軍事クーデターを除くとあまりなかったとのことである。源頼朝が幕府を開き、武力階級が政権を握ったことは異例なことと考えられている。日本において武士階級が政権を握るために武士階級として洗練される必要もあったらしい。というのは粗野だけでは政権を維持できないからである。この洗練されるという一つの中に家制度があったようだ。
　家を守るため、家の名誉を守るために時に潔い死も甘受する必要があった。と考えてみると、日本の封建制度は男尊女卑どころか、家を守るために男は死んでいかなくてはいけないというずいぶん男にとって大変なものとも考えられる。
　日本の歴史の中で、女も母もけっこう強く、男は形式的に威張っていただけではなかろうか。

　NHKの大河ドラマ巧名が辻が始まった。

　自分を勝者だと思っている。なるほど勝者にはちがいないが、勝者になりうる能力、器量のもちぬしだ、と思いはじめているようであった。土佐一国、という思いもよらぬ僥倖をひきあててから、どうも伊右衛門は、それ以前の伊右衛門にくらべてすこしかわったようである。−−−中略ーーー
　男に、出世とはこわい。
　分相応の位置につくと、つい思い上がって人変りする例が多い。
（巧名が辻）
山内 一豊（やまうち かずとよ）、天文14年（1545年） − 慶長10年9月20日（1605年11月1日））は戦国時代から安土桃山時代、江戸時代の武将、初代土佐藩主である。通称は伊右衛門もしくは猪右衛門（いえもん）。父は岩倉織田氏の家臣の山内盛豊、母は梶原氏の娘か。弟に山内康豊。のちに康豊の子の山内忠義（2代藩主）を養子とした。