Sternstunde・・星の時間・・というのは心理療法の中の言葉である。運命の一瞬というような大切な時はあるものである。同じコメント同じ問いかけも「時」を逃せばただの意見になるし、その時をつかめば人生の変容にもつながるというものである。
 セラピストは絶えざる「仮説構築」の努力と、セラピー内外に生じる「時」への「自由で、漂える関心・注意」、そして「時」を感じとった場合の「絶対的能動性」が要請されている。

 以上は臨床心理面接特論のSternstunde・・星の時間・・に関するものを私が要略したものである。
 子どもたちを相手にしていてこうしたSternstundeというものが多々ある。自己中心で粗暴で指導にてこずったいた子どもがふとしたきっかけでぐうーんと伸びることがあるものだ。その「時」を見極めることが私たちの仕事ではとても大切である。
 登校を渋り始めた子どもがいた。1週間学校に行かないでアパートに閉じこもっていた。母親はとても心配して相談に来た。しかし不登校の理由がわからない。「まあお互いに忙しいけれど子どもに声かけをしましょう」と話をした・「そうなんです。アパートが取り壊されるので校区内にアパートを探すのに忙しいのに子どもはン不登校。困る。」「ちょっと待った。もしかしてアパートの取り壊しが不登校の原因では」
 仮に新しいアパートが校区外になっても大丈夫との話をして不登校は解決となった。

 一瞬の時を言葉を見逃さないことも大切なのだと思う。そしてそんな時に「絶対的能動性」が必要である。

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